飛沫感染、飛沫核感染、エアロゾル感染といった言葉が飛び交っている。

エアロゾル感染の定義に関しては日本とWHO(世界保健機関)、あるいは一部の他国で違ってる事もある。仮にエアロゾル感染があるのだとすれば、ソーシャルディスタンス(約2m距離を開ける)、自宅待機による部屋ごもりは全く意味を持たない状況となってしまう。

飛沫感染は、ソーシャルディスタンスで防げるかもしれない。飛沫核感染は俗にいう空気感染だから防ぐことは難しい。エアロゾル感染も空気感染ではないが空気感染に近い考えとなるため防ぐことは難しいだろう。

マスク着用には飛沫経路を知らなければ着ける意味がない

今回の新型コロナウイルス(COVID-19)に関しては、厚生労働省のHPによると「飛沫感染」と「接触感染」が主だと言われている。

  • 飛沫感染 … 感染者の飛沫(くしゃみ、咳、つばなど)と一緒にウイルスが放出され、他の方がそのウイルスを口や鼻などから吸い込んで感染すること。
  • 接触感染 … 感染者がくしゃみや咳を手で押さえた後、その手で周りの物に触れるとウイルスがつきます。他の方がそれを触るとウイルスが手に付着し、その手で口や鼻を触ることにより粘膜から感染すること。
  • WHOにおける新型コロナウイルス生存期間
  • プラスチックの表面では最大72時間生存
  • ボール紙では最大24時間生存

飛沫核感染(空気感染)やエアロゾル感染については一切触れられていない。世界で言われてる感染経路と日本の感染経路に違いがあることにも疑念をいだかなければいけないであろう。

  • 飛沫核感染 … 水分を含まない病原体であり、乾燥した空気中で生きれる5μm以下の軽い病原体。いわゆる空気感染。
  • エアロゾル感染 … 飛沫や飛沫核が周囲の空気とともに、しぶき状やこまかい霧状に広がっているもの。

どっちも空気感染みたいなものじゃないのか?と思うがエアロゾルは5μm以上も浮遊してしまうという事だ。もう少し詳しく説明てみようと思う。

飛沫はどこまで届くのか

ここで気になる問題は飛沫はどこまで飛ぶのかだ。
水分を含んだ飛沫は重たくそんなに遠くまで飛ぶことができなくすぐに地面に落ちる。
が、くしゃみなどは別格の問題だ。
勢いがついたくしゃみは人によりけりだが、5m、いやそれ以上に飛ぶことだってありうる。

人との距離を取れば感染のリスクが減るというのはこういう理屈だ。
感染者が咳をすれば2mの範囲内は危ないという事になる。
マスクをすれば飛沫が飛びにくいからマシだと言いたいわけだ。

コロナウイルス(COVID-19)は接触感染のように極力、人に近づかず孤立すれば感染の確率は段違いに減るという事になるだろう。感染対策は大切だが、どれだけ人と人の距離を作る社会作りなんだ…と思ってしまうのは私だけなのか?

この理屈をもとに飛沫感染、飛沫核感染(空気感染)、エアロゾル感染と言うものを考えていきたい。

飛沫感染、飛沫核感染、エアロゾル感染の定義

飛沫感染とは

飛沫感染は水分を含んだ病原体である。
細かく言えば5μm以上の大きさを保った状態の水分を含む粒子。
例えば感染者が会話をした時にでるしぶき、咳やくしゃみと言えばわかりやすいだろうか?感染者の保有しているウイルスが自分の唾液などに混ざり飛び散ることだ。
想像すればわかることだが水分を含む以上、重たくすぐに地面へとおちやすい。

この飛沫が相手の顔へ飛んでしまうと相手へ感染する。
これが飛沫感染である。
あるいは相手の服や物に飛び散る。
それを誰かが触り、目や鼻、口などを触り粘膜から侵入してしまう。
これが飛沫からの接触感染の定義だ。

飛沫核感染とは

それに対し飛沫核は水分を含まない病原体である。
かつ空中を浮遊できる軽い(5μm以下)病原体。簡単に言えば乾燥した空気中で生きれる5μm以下の軽い病原体ということだ。
いわゆる空気感染がおこなえるということだ。

例えば、咳やくしゃみなどにより飛沫が飛び散る。湿度が低く乾燥していればこのしぶきがすぐ蒸発し丸裸状態の飛沫核が出現する。

この飛沫核が外の乾燥した空気中の中生きれるか、生きれないかが重要である。
丸裸状態になるとすぐに死んでしまう飛沫核もいる。
丸裸状態でも生きていれば空気中を浮遊し漂い続けてしまう病原体も存在する。これが空気感染ということだ。

エアロゾル感染とは

エアロゾル感染においては世界的に統一された定義は存在していないとされている。
飛沫も飛沫核もエアロゾルと呼ばれることや、飛沫感染と飛沫核感染の境界の粒子径ですら統一されていない。
WHO(世界保健機関)の定義からいくと、飛沫感染や飛沫核感染と違うのは、水分を含むものでも含まないものでも気体と混合した病原体ということで、5μm以下や5um以上という病原体も関係なく、こまかい霧状に含まれ空気中を漂うということである。

例えば、タバコの煙からイメージするとわかりやすくなる。
タバコを「フーっ」吐いた人が離れた場所にいても匂いが飛んでくることもある。
それは、タバコの煙がそんな離れた場所まで届くということだ。
こんなとこまで匂いするなんて!と思ったその中に病原体(ウイルス)が含まれているという事になる。その距離は広範囲であり6~8mまで漂うとされている。

詳しくコロナウィルスのエアロゾル感染シミュレーションを研究した記事がある。

コロナウィルスのエアロゾル感染シミュレーション
https://www.jsap.or.jp/docs/columns-covid19/covid19_1-2-1.pdf

WHOのエアロゾルの定義

WHO(世界保健機関)の定義では

  • Droplets(飛沫):呼吸性エアロゾルで、直径は5μm超
  • Droplet nuclei(飛沫核):呼吸性エアロゾルで、直径は5μm以下

飛沫や飛沫核5μm以上なのか5μm以下なのかで区別している。
ただ、WHOは飛沫も飛沫核もエアロゾルとの認識。

日本のエアロゾルの定義

日本における日本エアロゾル学会の定義は

  • 気体中に浮遊する微小な液体または固体の粒子をエアロゾル
  • 空気中に浮遊する、直径が0.001μmから100μmの粒子
  • 生成過程の違いから粉じん、フューム、ミスト、ばいじん等と呼ばれる
  • 気象学的には視程や色の違いなどから、霧、もや、煙霧、スモッグ等と呼ばれる
  • エアロゾル粒子の性状は、粒径や化学組成、形状、光学的・電気的特性など多くの因子によって表されきわめて複雑。

飛沫感染と飛沫核感染は、粒子径が5μm以上か5μm以下かで区別されている。
エアロゾル感染は感染経路として定義されていない。

一部の他国のエアロゾルの定義

  • 吸引性飛沫(直径10~100μm)|気道上部の粘膜に付着して発生する感染
  • 吸入性飛沫(直径10μm未満)|呼吸により気道に入るために生じる感染をエアロゾル感染(飛沫核感染に分類)

飛沫感染と飛沫核感染は、粒子径が10μm以上か10μm以下かで区別されている。
10μm以下がエアロゾル感染と認識。

感染源についてのまとめ

エアロゾルの定義からいくと気流にのって遠くまで飛んでいく、その気流が換気のされていない室内ならば上昇気流にのって滞在する。
そうなれば、今までしてきたことが功をもたらさない対策となってしまう。

ならばどうすればいいか?
人との距離をできる限りとり、接触をさけ、換気のいい場所にいなければならないという事になる。
どこまでも人と人との距離を作り、出前などの添加物にまみれた食事ばかりをし免疫が弱り、外出も控え運動をしなくなることで身体の代謝回路を弱らせミトコンドリアを弱らせると言った恐ろしい時代だ。

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